11月29日(日)武蔵野スィングホールにて講演会「死から学ぶ1」を開催し、当日の参加が117名、また、講演会後同会場で行われた懇親会には51名が参加しました。参加された方々にエッグツリーハウス一同心より御礼申し上げます。
講演会は、2014年4月から小金井で始まったThe Egg Tree Houseが地域に根差すことを目的とし、またグリーフケアを広く知っていただくために行ったもので、今後も年1回行います。
講演会では、初めに奥野滋子先生が「死から学ぶ」というテーマの元、緩和ケア病棟、緩和ケアチームで仕事をし、現在在宅緩和ケア医をしている立場から話をされました。亡くなる人の思いに接してこられた経験からの話は分かりやすく、また亡くなる人の思い、気持ちが聴く者に伝わってくるものでした。死生観、来世観を持つことは死の恐怖が軽減される可能性があるとの話が印象に残りました。次に先生は「お迎え現象」について話をされました。「お迎え現象」を患者さんの終末期に起きやすい精神症状のせん妄としてしまうのではなく、患者さんに起きている「お迎え現象」ととられえることもできるのではないかという話でした。親しかった人、多くの場合は家族がお迎えに来るというお話でした。あの世から迎えに来てくれるという話に頷く方が多かったです。
奥野先生の講演の後、3人の先生方にそれぞれ10分スピーチをしていただきました。渡辺美奈先生は、人間も生死を繰り返す自然の営みであるとの見方を示され、看護師として患者さんに接してこられた歴史を語りました。大熊雅士先生は東日本大震災後の子どもたちの心のケアを目的としたキャンプ、また先生が中学校で行った学校葬の話をされました。最後に登壇した是枝嗣人先生は葬儀から始まるグリーフワーク、グリーフケアについて紹介してくれました。3人の先生は、看護、教育、葬儀とそれぞれ違う分野で仕事をされていますが、子どもの死について共通して話をしていただきました。話を聴き、涙する方が多くいらしたように思いました。
休憩をはさんでのシンポジウムでそれぞれの先生方の話についてやりとりが行われた後、グリーフケアで一番大切なことを一言でということについて
- 是枝:死別だけではない。
- 奥野:寄り添う、一緒にいる。
- 渡辺:悲嘆の気持ちはその人にしか分からない。
- 大熊:グリーフケアという言葉を知った時に(自分が)変わった。 また、最後にグリーフケアを日本語で表すとどうなるかという問いに
- 是枝:グリーフサポートを日本語にしたい。
- 奥野:グリーフは浸透していない。また、日本語にしにくい。スピリチュアルもカタカナ語で表している。それは日本語として難しいからだ。
- 渡辺:その人なりにいろんな言葉で悲しみを語る。
- 大熊:千の風になって。
と応えられました。
講演会の時間が2時間と短く、それぞれの先生方の話をもっと聴きたかったとアンケートに書かれている方が多かったです。皆さまからのアンケートは次回に生かしたいと思います。次回は2017年2月を予定しております。